任侠映画?コメディ?青春ドラマ?『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』の持つ説得力 #野水映画“俺たちスーパーウォッチメン”第六十二回

TVアニメ『デート・ア・ライブ  DATE A LIVE』シリーズや、『艦隊これくしょん -艦これ-』への出演で知られる声優・野水伊織。女優・歌手としても活躍中の才人だが、彼女の映画フリークとしての顔をご存じだろうか?『ロンドンゾンビ紀行』から『ムカデ人間』シリーズ、スマッシュヒットした『マッドマックス  怒りのデス・ロード』まで……野水は寝る間を惜しんで映画を鑑賞し、その本数は劇場・DVDあわせて年間200本にのぼるという。この企画は、映画に対する尋常ならざる情熱を持つ野水が、独自の観点で今オススメの作品を語るコーナーである。

ファンタジーからラブストーリーまで、昨今の日本映画界では、漫画原作の作品が次々と生み出されている。そんな中、また一段とクセのある漫画『BACK STREET GIRLS』が実写映画化された。サイトで「だからあれほど コミック原作の実写化は やめておけと」という自虐的なコピーもどこ吹く風!映画『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』は、原作未読でも楽しめるし、むしろ観終わったら原作が気になって仕方なくなること間違いなしの、最高に面白い作品に仕上がっていたぞ!

犬金組の若きヤクザ、山本健太郎、立花リョウ、杉原和彦の三人は、とある事件で不始末を起こしてしまう。落とし前をつけるため組長から提案されたのは、アイドルとしてデビューすること。タイで性転換&全身整形させられ、、見た目は可愛い女の子として生まれ変わった彼らだが、中身は威勢のいいヤクザのまま。はたして彼らは、組のため、売れっ子アイドルになる組ことができるのか?

冒頭は、「東映さんといえば!」な、ヤクザの若い衆がかち込むガッチガチの任侠映画として始まる。バイオレンスたっぷりな映像は、観る作品を間違えたかと思うほど。基本的にはコメディタッチの本作だが、ヤクザ絡みのシーンやアクションはシリアスに撮られていて、任侠映画としての渋カッコいい魅力も楽しめる。

もちろん、肝心のコメディ部分も絶好調。転んだ瞬間、「キャッ!」と可愛い声を上げてしまうくらいアイドルが板に付いてきてしまったメンバーに、他メンバーが「すっかりアイドル気分かよ!えぇ!?」とドスの効いた声で総ツッコミを入れるシーンなど、シュールな笑いに満ちている。打って変わって、「本当にこれでいいのか」と各々がトイレで自問自答するシリアスなシーンでは、急にテンションが変化。今にも電球が切れそうなオンボロトイレで、男(中身の自分)と対話するこのくだりは妙に薄気味悪い演出で、そこいらの生ぬるいホラー映画よりもよっぽどホラーだ。ちなみにここは私のお気に入りシーンなので注目してほしい。

原作:ジャスミン・ギュ「Back Street Girls」(講談社「ヤンマガKC」刊)
脚本:増本庄一郎 伊藤秀裕
監督:原桂之介
出演:
白洲迅 柾木玲弥 花沢将人 岡本夏美 松田るか 坂ノ上茜
菅谷哲也 浅川梨奈 秋山莉奈 高嶋香帆
小沢仁志 桜田通 / 大杉漣(友情出演)
岩城滉一
製作:映画「ゴクドルズ」製作委員会
制作プロダクション:エクセレントフィルムズ
配給:東映
公式サイト:http://gokudorus.toeiad.co.jp/
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